超話題の「破産者マップ」
大島てる(事故物件マップ)より数多いんじゃないか・・・これ・・・
ネット上では大激論。物議を醸しています。
以下に賛成派と反対派の意見をまとめてみました。
反対派の意見
これを利用した詐欺が出そう
プライバシーの侵害だろ
なんの利用価値もない。一般人が知ってどうするの?
賛成派の意見
困るのは破産者さんだけ
普通に生活してたら何もないし勝手にやれ
安易な自己破産への抑止力になる
あってもいい
それではここからは、私の意見です。
「破産者の情報をまとめて可視化する」サービス自体は非常に面白いです。かなり失礼で不謹慎ですが・・・・。
ただし、
破産者の情報はみだりに公開されるべきではない。
と考えます。
賛成派の意見の中には「官報で公開されているんだから問題ない」というものがありましたが、例え一般に公開されていてもプライバシーとして保護されるものがあります。
法務局のインターネット上のサービスで男性の居宅の登記情報を入手。仮差し押さえが設定されていることを知り、マンションのロビーで男性に「差し押え問題を早く解決しな」と発言したり、他の理事に配ったりした。
同社側は「登記情報は誰でも取得でき、プライバシー保護の対象にならない」と主張したが、判決は「仮差し押さえは他人に知られたくない事実で、保護の対象になる」と指摘。同社によるプライバシー侵害を認め、社員の発言は名誉毀損に当たるとした。
-2013年2月28日読売新聞
破産の事実が公告されるとしても,現実にその事実に接することができる或いは接した人は社会全体のごく一部であることからすると,破産者自身が,その事実を他者に開示されたくないと考えることは自然なことであり,社会一般において破産という事実は人に対する社会的評価の低下を伴うものと理解されていることからすると,破産の事実が開示されないことへの期待は保護されるべきものと解されるから,破産の事実は原告のプライバシーないし名誉に係る情報として法的保護の対象となるものと解すべきである。
ー名古屋簡易裁判所 裁判官 河野 文孝
(事件番号:平成17(ハ)757、判決本文)
これらを見るに、今回の破産者の情報は、たとえ官報に載って公開されているとはいえ、広く一般に公開されるべき性質の情報ではないと言えるでしょう。
破産したことは世間に知られたくないでしょうし、官報も簡単に見れるわけではありません。
インターネットで無料閲覧可能なものは直近30日分、あとは購入するか一部図書館などからしか見ることができません。このことから積極的に開示しているとは言いにくいですね。
また、破産者の積極的な公開については、破産法の趣旨である
債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ること
からも外れてしまいます。
仮に裁判になったとして、私が裁判官なら上のような事情から破産者を保護するための法律論を構成すると思います。
集団訴訟しようと活動している方がいらっしゃるようなので、結果に注目したいですね。
この記事へのコメントはありません。